有害物質の流出リスクと従来の処理法

【太陽光パネルの大量廃棄問題】

太陽光パネルの大量廃棄問題は、2040年頃に起きると考えられている太陽光パネルの不法投棄および廃棄に関する処理能力の問題です。

太陽光発電の設置数は、FIT制度の発足や補助金制度などによって急激に増えている状況です。そのため、FIT制度発足後に設置された大量の太陽光発電が、20年~30年後に廃棄される見込みです。

徐々に廃棄されれば問題を抑えられますが、同時期に太陽光パネルの廃棄が続く場合、3つの問題につながる可能性もあります。

 

【不法投棄増加リスク】

太陽光パネルを含む不法投棄の増加リスクです。太陽光パネルを含む発電設備を廃棄するには、解体業者へ撤去作業を依頼する必要があります。依頼の際は、解体や廃棄処理を含む費用を負担します。 

一部の悪質な発電事業者は解体や廃棄処理に関する費用を削減しようとするため、不法投棄の増加が懸念されています。

 

有害物質の流出リスク

太陽光パネルには、鉛やカドミウムといった人体に有害な物質も含まれています。

廃棄処理の際は、有害物質の流出を防ぎながら適切な方法で行う必要があります。

具体的には、管理型最終処分場などの有害物質の流出を防げる施設へ埋めることで、外部への流出を抑えられます。

しかし、解体業者や中間処理業者の中には、太陽光パネルの有害物質について知らない業者も存在する可能性があります。

そのため、太陽光パネルの大量廃棄に伴い有害物質の流出が、増加してしまうことも懸念されています。

 

廃棄処理能力の限界

FIT制度の発足によって太陽光発電は、急激に生産・設置されている状況です。同時期に設置された大量の太陽光パネルは同時期に寿命を迎えるため、20年~30年後に処分場が逼迫する恐れもあります。 

太陽光パネルの大量廃棄へ対応するには、2022年から最終処分場の稼働能力向上や設備の増設などを検討する事が大切です。

 

従来の使用済み太陽光パネルと廃棄物処理法

・適切な事業者への処理委託、もしくは排出事業者自らによる処理委託契約書及び産業廃棄物管理票において太陽電池モジュールを明記

・廃棄物の適正な処理の方法についての情報提供

・産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付

・産業廃棄物処理の適正な対価の支払い

・産業廃棄物処理の委託状況の確認、埋立処分が終了するまでの必要な措置

 

廃棄物処理法では、排出事業者が産業廃棄物の処理の委託をする場合には、必要な許可を取得した事業者に委託することが義務付けられています。 また、産業廃棄物の埋立処分は、排出事業者自ら、もしくは排出事業者から委託を受けた埋立処分業者が行い、産業廃棄物処理の規定を遵守することが義務付けられています。